【スマリハ事業部】地域と共に歩むリハビリテーション ―介護と障がい福祉の共生を学ぶ研修から―

2025年9月30日
スマリハ事業部では全スタッフを対象とした研修を実施しました。
今回のテーマは 「障がい福祉サービスの在り方」。
日々の支援を改めて見つめ直し、これからの取り組みを考える大切な時間となりました。
研修の目的とゴール
研修のゴールは、次の3点を全員が実感することでした。
・共生とは何かを理解できている状態
・機能訓練の利用者様とのかかわり方について、具体的なイメージを持てる状態
・地域での仕事の醍醐味を感じられる状態
これらを共有することで、日常の支援を見つめ直し、より豊かなサービスを届けることを目指しました。
講師紹介
当日は、株式会社ハート&アート ダイアリー 代表取締役 茂木 有希子先生をお招きしました。茂木先生は作業療法士として豊富な臨床経験を持ち、地域リハビリや生活支援の分野で幅広く活躍されています。
一人の出会いから生まれた「共生型」の発想
起業のきっかけは、難病の利用者様からの一言でした。
「私のような人を理解してくれる場所を作ってほしい」
この声を受けて、2011年に「ハート&アート」を設立。
介護保険・障害福祉・児童福祉の枠を超えた複合施設「ダイアリー」を立ち上げました。
「心(Heart)」と「技(Art)」をつなぐ理念のもと、リハビリを単なる機能回復ではなく、”その人らしい生活の実現”として捉える支援を続けています。
また、学会発表や専門誌への寄稿、各地での講演活動を通じて、多くの支援者に「気づきと学び」を届ける活動も展開。2025年6月まで埼玉県作業療法士会副会長として地域包括ケアの推進に携わり、現在もその経験を活かした支援体制づくりに取り組まれています。
株式会社ハート&アート
障がい者・高齢者・子どもを対象に自立訓練・生活介護・発達支援を提供する福祉・医療支援法人。専門職によるリハビリと地域交流活動を通して、自立と生活の質向上を支援しています。
▼ホームページはこちら
https://heart-art.co.jp/
「共に生きる」とは何か
茂木先生が強調された言葉が印象的でした。
「共生とは、ただ一緒に過ごすことではなく、”ともに生きる”こと。
支援する・されるという関係を超えて、双方向の関わりが生まれてこそ、共生になります。」
障がい福祉の現場では、年齢・病歴・家庭環境など、一人ひとりの背景が大きく異なります。その中で「どう生きたいか」「何を大切にしたいか」という想いを受け止め、人生に寄り添う支援を行うことこそが、“人と人が共に生きる”という本当の意味だと感じさせられました。
制度の枠を超えた共生型サービス
介護保険と障がい福祉サービスを柔軟に組み合わせる「共生型サービス」の仕組みについても学びました。
2018年に創設されたこの制度は、介護事業所が障がい福祉サービスを、障がい事業所が介護サービスを同じ場所で提供できることが特徴です。
制度のすき間に取り残されがちな40〜64歳の第2号被保険者や難病の方にも継続的な支援を届けられる点で、今後の地域福祉における重要な取り組みをいえます。
「できることを増やす」より、「生きる力を育む」
特に印象的だったのは、「支援とは魚をあげることではなく、釣り方を伝えること」という言葉。
目の前の課題を一時的に解決するのではなく、本人が自らの力で生活を再構築できるよう支える――それこそが、障がい福祉サービスの本来の在り方だと再認識しました。
仕事に復帰したい、旅行に行きたい、家族と暮らしたい…その人らしい願いを支援の出発点とし、専門職が協働して実現を目指す。そこに、リハビリテーションの本質があると改めて感じました。
ワークを通じた学び
グループごとに「共生とは何か」「共生型サービスの課題」「退院後の支援の在り方」などをテーマに意見交換を行いました。
立場や経験の違いを超えたディスカッションの中で、現場での課題意識や新たな視点が生まれ、活発な交流が見られました。
発表時には、他グループの意見に耳を傾けながら、共感し、メモを取る姿も見られ、学び合いの場として有意義な時間となりました。
参加スタッフの声
研修後のアンケートでは、次のような感想が寄せられました。
・「利用者に何ができるか」ではなく「利用者と一緒に何ができるか」という視点に変わった
・介護保険と障がい福祉の違い、そして共生型サービスの位置づけを理解できた
・利用者の背景に合わせたチーム支援や職種連携の必要性を再確認できた
多くのスタッフがモチベーションを高め、現場に活かせる学びを得る機会となりました。
リハビリ事業部の取り組みとこれから
SHAREでは、自立訓練(機能訓練)施設を運営し、障がいのある方も安心して暮らし続けられるよう支援を行っています。
今回の研修を通して、私たちは改めて「共生」という言葉の重みを実感しました。
それは“多様な人が共にいる空間”をつくることではなく、互いの人生に関わり、支え合いながら生きること。
障がいの有無にかかわらず、誰もが地域で自分らしく役割を持てるように――その実現には、制度や立場を超えた「共創」の姿勢が欠かせません。
SHAREのミッションである
「全ての人が、かっこよく 歳を重ねられることを 証明する。」
を実現するために、今後も研修や地域とのつながりを大切にしながらより良い支援のかたちを追求してまいります。

「全ての人が、かっこよく歳を重ねられることを証明する。」というミッションに魅力を感じ、株式会社SHAREへ入社。 一人でも多くの方にサービスの魅力や可能性が届くよう、日々情報発信に取り組んでいます。


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