【カーリング実業団選手が教えるボッチャ体験会】
カーリング実業団選手が教えるボッチャ体験会を開催しました!
2026年7月10日(金)、予防センター平岡様からご依頼をいただき、介護予防事業として「カーリング実業団選手が教えるボッチャ体験会」を開催させていただきました。今回は定員いっぱいとなる36名の方にご参加いただき、会場は最後まで熱気に包まれる、本当に嬉しい1日となりました。
ボッチャとカーリング、実は似ている競技性
ボッチャという競技をご存知でしょうか。パラリンピックの正式競技としても知られていますが、実はカーリングととても近い競技性を持っています。
ボッチャは、白い目標球(ジャックボール)を中心に置き、そこへ自分の球をどれだけ近づけられるかを競うスポーツです。狙った的にいかに寄せるか、という感覚は、氷の上でストーンをハウスの中心に寄せていくカーリングの感覚とほとんど重なります。さらに、得点の数え方に関しては、カーリングとボッチャは全く同じ仕組みです。相手の球より自分の球が的に近ければ近いほど得点が入り、その近さの数だけ点数が加算されていく。加えて、自分が投球する際に相手から邪魔をされないというルール上の性質もカーリングとよく似ています。
普段カーリング競技の場に立つ自分にとって、この「似ているけれど別の競技」を通じて介護予防に関わらせていただけたことは、新鮮でありながらもどこか自然な感覚がありました。氷の上で培ってきた「狙って投げる」「戦略を組み立てる」という感覚が、そのまま陸上でボッチャの面白さの説明にもつながっていったように思います。
誰でも楽しめる、ルールの自由度の高さ
ボッチャのもう一つの大きな魅力は、対象者に合わせてルールを柔軟に変更できる点にあります。コートの広さ、投げる順番、使用するボールの数など、参加者の年齢や身体機能、人数に応じてその場でルールを調整することができます。今回のように60〜70代の方が中心の会であっても、あるいは車椅子を利用されている方が参加される会であっても、同じルールに縛られることなく、誰もが同じように楽しめる設計にできるのがボッチャの強みです。この自由度の高さこそが、介護予防の現場において非常に相性の良いスポーツである理由だと、今回改めて実感しました。

大盛り上がりだった導入体操
本会は、体を温めるための導入体操からスタートしました。60〜70代の方々が中心の参加者でしたが、始まってすぐに声を出しながら体操をしてくださり、会場の空気が一気に和みました。ここまで積極的に声を出していただけるとは正直予想しておらず、この時点で「今日はきっと良い会になる」という手応えを感じていました。
「勇者」という共通言語が生んだ一体感
今回、進行する中で意識したのが「共通のワード」を使ったコミュニケーションでした。ルール説明の際に、「ジャックボールの近くに自分の球を置くことができれば、あなたは"勇者"になれます。ぜひ勇者を目指してください」とお伝えしたのです。
これは単なる遊び心ではなく、初対面同士の参加者が多い会場で、誰もが一言で目標を理解し、自然に声をかけ合えるようにするための工夫でした。この言葉を伝えただけで、参加者のみなさんは自然と「勇者になるぞ」という気持ちで投球に臨んでくださり、球が近づくたびに「やった、これは勇者だ!」と周囲から声が上がるようになりました。難しい説明をしなくても、この一言があるだけで会場全体が同じ目線でゲームを楽しめるようになり、参加者同士のコミュニケーションのハードルを大きく下げてくれたように思います。
予想を超える盛り上がり、会館の外まで届いた熱気
体操が終わり、いよいよボッチャ体験へ。ルール説明もそこそこに、みなさんすぐに競技に夢中になってくださいました。投球のたびに「勇者」を巡って歓声が上がり、狙った球がジャックボールに近づけば拍手が起こる。競技を行う感覚やゲームとしての駆け引きの感覚がカーリングと非常によく似ているため、自分自身もつい熱が入り、参加者のみなさんと一緒になって盛り上がってしまう場面が何度もありました。気づけば会館の外にまでその声や熱気が伝わるほどの盛り上がりとなっていました。

初めてボッチャに触れる参加者の方がほとんどでしたが、「ここまで面白いとは思わなかった」「今日来てよかった」「久しぶりに汗をかきながら盛り上がった、ありがとう」といった声を、終了後にたくさんいただきました。一つひとつの言葉が、準備してきた身としては何よりのご褒美でした。
36名という集団をまとめる難しさと工夫
今回、自分にとって大きな学びだったのは「36名という集団を中心となってまとめる難しさ」でした。年齢も運動経験も様々な参加者全員に楽しんでもらうためには、一律の説明や進行では足りません。声のかけ方一つ、ルールの伝え方一つを、参加者の反応を見ながらその場で微調整していく必要がありました。
幸い、ボッチャ自体がルールを柔軟に変えられる競技であることに加え、「勇者」という共通ワードが場をまとめる大きな助けになりました。参加者の様子を見ながら投げる順番やチーム分けを調整しつつ、誰が勇者になったかという分かりやすい共通の話題があることで、運動が得意な方も、そうでない方も、それぞれのペースで会話に加わりながら楽しんでいただくことができたと感じています。誰か一人でも置いていかれてしまう瞬間があれば、それは会全体の空気に影響します。今回は最後まで、参加者全員が「自分もこの場に参加できている」と感じられるように意識しながら進行しました。結果として、参加者含めて全員でこの会を作り上げられたような、そんな一体感のある時間になったと感じています。

主催者の方々、ボランティアスタッフの皆様への感謝
今回は、自分一人の力では到底成り立ちませんでした。準備から片付けまで、ボランティアスタッフの方々や参加者のみなさんにも積極的に手伝っていただき、主催から参加者まで全員でこの会を作り上げている、という印象を強く受けました。
主催の予防センター平岡の方々からも、「私も参加者として盛り上がってしまった」といった、大変嬉しいお言葉をいただきました。また、参加者の方々からは競技活動そのものに対しても「頑張ってください」と温かい応援の言葉をかけていただきました。
「ボッチャの人」になったかもしれない、でもそれも嬉しい
正直なところ、今回の体験会があまりに好評だったことで、もしかすると自分は「カーリングの人」というよりも「ボッチャの人」という印象がついてしまったかもしれません(笑)。ですが、それも含めてこの日の時間が参加者のみなさんの記憶に残るものになったのだとしたら、それはそれでとても嬉しいことだと感じています。
現場で得た学びを、これからの活動へ
介護予防の現場で、競技スポーツの経験を活かしながら地域の方々に楽しんでもらう。この経験は、自分がカーリングの現場だけでは得られない視点を与えてくれました。ルールを柔軟に変えながら、「勇者」のような簡単な共通言語一つで参加者同士の交流を生み出せることを実感できたのは、大きな収穫でした。集団を巻き込みながら一つの会を作り上げていくプロセスは、今後のチーム運営やイベント企画にも通じるものがあると感じています。
これからも、こうした地域との関わりを大切にしながら、競技者としての活動と並行して、様々な形で経験を積んでいきたいと思います。依頼、主催頂いた予防センター平岡の皆様、進行をお手伝い頂いたボランティアスタッフの方々、ご参加いただいたみなさま、本当にありがとうございました。
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