【地域教室】命を守る9月9日、シニア大学での『災害時の介護予防』教室

2025年9月9日、株式会社ねこのて相談センター様のご依頼で、シニア大学(創造学園)の皆様に講義をさせていただきました。
9月は「防災月間」、そして9月9日が「救急の日」であることにちなみ、「災害時の介護予防」についてお話ししました。
札幌市豊平区 創造学園とは
札幌市豊平区創造学園は、2年生の「高齢者教室」です。
新しい時代に対応できる高齢者としてたくましく生き、自らが主体的に学習活動に参加するなかで人生の生きがいを見いだし、長年の人生経験を若い世代に伝達し、地域社会に貢献できる高齢者の養成を目的として開設されました。開設の目的及び目標に基づき、毎回朝の会を実施し、校則、学園歌もあり、多彩な学習に取り組んでいます。単なる講座やカルチャースクールではありません。
(※札幌市月寒公民館HPより 一部抜粋)
講義の概要~震災を乗り越え、未来へつなぐ知恵
講義は二部構成で行いました。
第一部:災害関連死と避難生活の病気予防
訪問介護さくらステーションの代表であり保健師の桜庭さんが担当しました。関東大震災や記憶に新しい胆振東部地震などの事例を交え、地震の直接的な被害だけでなく、避難生活で命を落とす「災害関連死」の怖さについて説明。多くの犠牲者を出したこの歴史を振り返りながら、防災グッズの見直しや、避難所での感染症予防、持病・薬の管理など、災害時にご自身を守るための具体的な対策をお伝えしました。
第二部:避難所生活での運動機能低下予防、日頃の備え
弊社からは、地域共創部部長で理学療法士の渡邊が担当しました。まずはエコノミークラス症候群の予防について。エコノミークラス症候群は、飛行機の中だけでなく、活動スペースが限られる避難所でもリスクが高まります。この病気を予防するための簡単な運動を、皆様と一緒に実演しました。
※厚生労働省HPより「エコノミークラス症候群の予防のために」参照
一見簡単な動作ですが、参加者の皆様からは「きちんとやると意外と難しい!」という声が聞かれ、意欲的に取り組んでくださいました。この運動は、避難時だけでなく、日頃から行うことで転倒リスクを減らし、健康寿命を延ばすことにもつながります。
いつか来る災害に備えるだけでなく、今日、そして明日をより良く生きるための一歩になります。
参加者の皆様はとても意識が高く、講師への質問以外にも、実際にご自身が行っている工夫を共有してくださるなど、活気溢れる教室となりました。
命運を分けるのは、日々の備え
9月は「防災月間」と呼ばれています。ではなぜ、9月が防災月間なのか、ご存知でしょうか。
大正12年9月1日、関東大震災が発生し、甚大な被害をもたらしました。この悲劇を忘れず教訓とし、防災意識を高めるために「防災の日」が制定されました。
また、北海道に住む私たちにとって忘れることのできない、平成30年9月6日の胆振東部地震。土砂災害や家屋の倒壊などの地震の直接的な被害だけでなく、「ブラックアウト」と呼ばれた広範囲にわたる停電は、私たちの当たり前の生活を根底から揺るがしました。
9月は日本の気象的にも台風や大雨など自然災害が多い時期でもあります。だからこそ、この月に改めて防災への意識を向け、備えを強化することが求められます。
災害への備えといえば、防災グッズの準備が思い浮かびますが、特別な事ばかりではありません。日頃からの運動等の健康管理や、災害時の病気対策の知識も非常に重要です。
講義後に行われたアンケートでは、「防災への意識が変わった」という、以下のような感想が寄せられました。
• 災害関連死の怖さを知ることができた
• 介護予防の大切さが分かった
• 日々の健康が防災につながると感じた
• 防災グッズを見直したい
専門家を、もっと身近に
「理学療法士や保健師といった医療専門職は、病院でしか会えない」と思われがちです。しかし、私たちは、病気になってからだけではなく、病気や介護を“予防”するためにこそ、その専門知識を役立てたいと願っています。
今回、一般の方々に健康管理や介護予防の重要性、そして具体的な対策をお伝えする機会をいただき、感謝しております。この講義が、皆様が日々の健康や防災について考えるきっかけになっていれば私たちも嬉しく思います。


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