進行性疾患のある方への支援とは?「機能改善」の先に見えた大切なこと
進行性疾患のある利用者様への支援やリハビリの現場では、「良くしたい」という想いがある一方で、思うような変化が見えず、関わり方に迷う場面も少なくありません。
特に進行性疾患は、目に見える機能改善(成果)が得られにくいことも多く、「何をもって成果とするのか」という問いに向き合うことがあります。
今回は、実際の支援の中で感じた悩みや葛藤、そしてその中で見えてきた「寄り添う支援」のあり方についてお話しします。
利用者様との関わりの中で
今回ご紹介するのは、進行性疾患のある利用者様との関わりです。
利用者様の多くは50代と比較的若く、仕事や家庭など生活の中で多くの役割を持っている方々でした。
「まだ働き続けたい」「やりたいことがある」そんな強い想いを持ちながら通われていました。
そして、進行性疾患のある利用者様と関わる中で強く感じたのは、「病気になる前の自分に戻りたい」という気持ちでした。
もし自分が同じ立場でも、きっとそう思うはずです。
前のようにできたら。またあそこへ行けたら。もう一度あれがしたい。これまで当たり前だった毎日を取り戻したい。
その想いは、とても自然で大切なものだと感じています。
関わりの中で感じた葛藤

関わり始めた当初、支援の中で大きな迷いがありました。
進行性疾患という特性上、目に見える改善が得られにくい場面も多く、「自分は役に立てているのだろうか」と無力さを感じることがあったためです。
利用者様が期待して通ってくださっているからこそ、その想いに応えられているのか、不安になることもありました。
一方で現実として、病前の状態に完全に戻ることが難しいケースもあります。年齢を重ねる中で体も変化していきますし、疾患によって残る影響もあります。
「受け入れられない」「つらい」「元に戻りたい」その気持ちは簡単に整理できるものではありません。
支援する側として、その想いを全部受け止めきれているかと聞かれたら、自信がない時もあります。
それでも、その時の自分にできる最大限で受け止めたい。そう思いながら関わってきました。
対話の中で見えてきたこと

悩みながらも、まずは疾患について改めて学び直しました。
また、社内のスタッフへ積極的に相談し、多職種での意見交換を重ねました。
介護福祉士、看護師、運動指導員など、それぞれの視点からの気づきはとても大きく、自分一人では見えなかった支援の可能性が広がっていきました。
そして何より大切にしたのは、利用者様ご本人との対話です。
「本当は何をしたいのか」「今、諦めているけれど本当は続けたいことは何か」そんな話を重ねる中で、「できない」で終わらせるのではなく、“どこまでならできるだろう”“どんな方法なら近づけるだろう”と一緒に考える時間が増えていきました。
例えば、「今はもうあのコンビニまで行けないかもしれない」という方には、「手前のアイス屋さんまで一緒に行ってみませんか」と提案し、少しずつ練習を始めています。
また別の方は、「スーパーまで行きたいけれど、人が多い道を歩くのが怖い」という悩みがありました。その方とは奥様も一緒に、3人でスーパーまで歩く練習をしています。
その先にある「いつか夫婦で映画を見に行きたい」という夢につながるように。
寄り添いながら、でも必要な時には背中を押す。それが自分の役割だと感じています。
支援を通して気づいたこと
関わりを続ける中で、支援に対する考え方が少しずつ変わっていきました。
進行性疾患においては、必ずしも機能の改善だけが成果ではありません。
「ここに来ると少し体が楽になる」「話を聞いてもらえて気持ちが楽になった」そんな小さな変化にも、大きな意味があります。
そしてもう一つ強く感じたのは、新しい自分を受け入れながら、“今できること”を見つけていくことの大切さです。
以前は気づかなかった得意なこと。経験してきたこと。資格や考え方。その人だからこそ持っている力があります。それは仕事に限りません。
「行きたかったけれど諦めていた場所」に行けるようになることもあるかもしれません。
新しい形で、自分らしいやりがいや充実感を取り戻していく。その時間をご一緒できることに、大きな意味を感じています。
セラピストとして大切にしていること

この経験を通して、大切にしたいことがより明確になりました。
- 改善だけにとらわれないこと
- 利用者様の想いや背景に目を向けること
- 今できることを一緒に探すこと
- チームで支え合いながら支援すること
- 寄り添いながら、必要な時に背中を押すこと
「その人らしく生きる」と一言で言っても、答えは一つではありません。回復にこだわりたい気持ちも、その人らしさの一つです。
だからこそ、一緒に迷いながら、一緒に考えながら、その方に合った道を探していきたいと思っています。
言語聴覚士が語る支援の様子はこちらの記事をご覧ください。
→発語失行のリハビリで変化した日常|言語聴覚士が語る支援の実際
まとめ
進行性疾患のある方への支援では、目に見える改善だけがすべてではありません。
その人がどんな毎日を送りたいのか。これから何を大切にして生きていきたいのか。その想いに寄り添いながら、一緒に考え、必要な時にはそっと背中を押す。
それが私たちの支援の本質だと感じています。
もちろん悩むこともあります。迷うこともあります。
でも、現場で支え合うスタッフの力を借りながら、目の前の方と向き合い続ける。
そして、「出会えてよかった」と思っていただける存在でいられるように。
チャレンジドジムはこれからも、一人ひとりの人生に向き合いながら、その人らしい生活を支える支援を続けていきます。
「全ての人が、かっこよく歳を重ねられることを証明する。」というミッションに魅力を感じ、株式会社SHAREへ入社。 一人でも多くの方にサービスの魅力や可能性が届くよう、日々情報発信に取り組んでいます。
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