病院から地域へ。PTたちが直面する「視点のギャップ」と職域を越えたPT合同座談会レポート
理学療法士(PT)として病院などの医療機関で経験を積んだ後、地域社会や生活期のリハビリ・福祉領域へ飛び込む際、多くの人が一つの壁に直面します。
それは、「これまでの臨床と何かが違う」という視点のギャップです。
株式会社SHAREでは、メディカルフィットネスから、スマートウェイ、スマートライフリハ、チャレンジドジム、ストロークジムまで、多様な事業を展開しています。
そこでは現在、多くのPTが病院からキャリアチェンジし、新しい職域の最前線で活躍しています。
今回は、医療を取り巻く環境変化を踏まえつつ、それぞれの現場で試行錯誤するPTたちが抱える「共通の課題」をテーマに自発的に開催された、合同座談会(意見交換会)の様子をレポートします。
医療業界の変化と、理学療法士が新たな職域を広げる背景
現在、医療業界は大きな転換期を迎えており、医療職に求められる役割は根本から変わりつつあります。
「2040年問題」と「治し、支える医療」への転換
厚生労働省の推計では、2040年に必要と見込まれる医療・福祉分野の就業者数は約1,070万人ですが、確保が見込まれる人数は約974万人とされ、約96万人の差が生じると見込まれています。
限られた人材で医療・介護を支えていくためには、人材を確保するだけでなく、業務の見直しや生産性の向上、専門職同士の連携が欠かせません。
また、今後の診療報酬改定の基本方針においても、2040年頃を見据えた医療機関の機能分化と連携、「治し、支える医療」の推進が掲げられています。
円滑な入退院支援に加え、リハビリテーション・栄養管理・口腔管理など、生活を支えるケアの重要性がこれまで以上に示されています。
タスク・シフトと、地域・生活の場への職域拡大
さらに、2024年4月からは「医師の働き方改革」の新制度が始まり、医師の業務をほかの医療職と分担する「タスク・シフト/シェア」が推進されています。
これは単に業務を振り分けるのではなく、それぞれの職種が専門性を発揮し、チームとして支援の質を高めることが目的です。
介護分野においても、2024年度の介護報酬改定では、リハビリ・栄養・口腔の一体的な取り組みや、科学的介護情報システム「LIFE」を活用した支援が重視されました。
こうした背景から、PTやOT(作業療法士)といったリハビリ専門職に求められる役割も拡大しています。
医療機関の中だけで支援を完結するのではなく、退院後の生活支援、介護予防、就労支援、そして地域社会とのつながりまでを見据えること。
つまり、資格や知識を持っているだけでなく、「専門性を地域や生活の場でどのように生かすのか」が問われる時代になり、その活躍のフィールドが地域へと大きく広がっているのです。
「これまでの学び」と「今の現場」のギャップ
病院でのリハビリは、機能回復や退院という明確なゴールに向かって進みます。
しかし、地域や生活期でのリハビリは、その方の「暮らし」や「社会参加」を長く支えていくことが目的となります。
SHAREに入職した複数のPTから、日々の業務の中でこんな声が挙がっていました。
「自分がこれまで医療現場で学んできたアプローチと、今の現場で行われている介入の視点が違うように感じる」
「生活期や福祉の現場では、自分も介入スタイルを変化させていく必要があるのだろうか?」
まじめに支援に向き合うからこそ生まれるこの葛藤は、決して誰か一人の特別な悩みではなく、病院から地域へフィールドを移した多くの医療職が経験するパラダイムシフト(視点の転換)です。
こうした現場のリアルな声を受け、「それぞれのブランドで働くPT同士で、考えを整理し合う場を作ろう」とスタッフが中心となり、職域を横断した合同座談会が企画されました。
職域を越え、フラットに語り合う場へ
当日は札幌市内〜恵庭、小樽の店舗で勤務するスタッフも含め、各現場で活躍するPTたちが一堂に会しました。
あえて堅苦しい会議室ではなく、食事とお酒を交えたフランクな場としたことで、
「生活期のリハビリにおいて持つべき視点は何か」
「自分の現場ではこういうアプローチをしている」
といった、普段は口にしづらい疑問や意見が次々と飛び交いました。
ビールを片手にした飲み会の場だからこそ、「実は最近こんなケースで悩んでいて…」と素直な臨床の相談ができるもの。
お酒の席にもかかわらず、テーブルのあちこちで急遽「症例検討会」がスタートしてしまうのも、真面目な医療職が集まるSHAREならではの光景です(笑)。
多職種連携を推進するSHAREだからこそ重要な「対話」
今回の対話を通じて浮き彫りになったのは、「他職種連携の重要性と、それに伴うコミュニケーションの難しさ」です。
SHAREの各現場では、PTだけでなく、OT、看護師、介護職、トレーナーなど多様な専門職がチームとなって支援を行っています。
多角的なアプローチができる強みがある半面、各職種が持つ「専門的な視点(レンズ)」が異なるため、自分の意図を相手に正確に伝えるためには、高いコミュニケーション能力が求められます。
「PTとしてはこういう意図で介入していたが、トレーナーの視点や、介護職の視点から見ると、また違った解釈ができる」そんな発見が相次ぎました。
専門職同士が連携するSHAREだからこそ、ただ自分の尺度で判断するのではなく、相手の専門性をリスペクトし、「しっかり解釈を紐解いて伝える責任」がある。
参加した一人ひとりが、支援者としての在り方を再認識する時間となりました。
「新たな学びを得て、みんなでSHAREを盛り上げよう」
他のブランドの進捗や、課題をどうやって乗り越えているかを知ることで、「そういう視点があったのか」「自分たちの現場でも活かせるかもしれない」という新たな気づきが次々と生まれました。
各々がそれぞれの現場・立場で、より良い支援のために試行錯誤してくれている様子が垣間見え、お互いを非常に頼もしく感じたといいます。
「このメンバーで、もっとSHAREを盛り上げていこう!」そんな前向きな熱量に包まれた座談会は、実費での2次会、3次会へと続き、参加者からは「ぜひ定期開催してほしい」という声が多く上がりました。
会社が大きくなり、展開するブランドや店舗が分かれていく中で、どうしても現場ごとの壁ができやすくなります。
しかしSHAREには、スタッフが直面する共通の壁に対し、他ブランドの仲間が自然と集まり、フラットに語り合い、互いの視点をアップデートしていける「土壌」があります。
これからもSHAREは、職種や事業の垣根を越えて医療職同士が学び合い、それぞれの専門性と社会的価値を高めていける環境づくりを大切にしていきます。

SHAREでの医療職の働き方に興味がある方へ
SHAREでは現在、共に地域の「健康インフラ」を創っていく理学療法士・作業療法士を募集しています。病院で培った専門性を、退院後の生活や社会参加、地域での暮らしまでつなげていく仕事です。
「病院以外でのキャリアも考えてみたい」「地域で医療職として何ができるのか知りたい」「SHAREで実際にどんな働き方ができるのか見てみたい」
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