医療とデザイン、異なる視点で地域をつなぐ。「地域リハねっと札幌」参加レポート
「地域内のリハビリテーション資源の共有」を目的としたコミュニティ「地域リハねっと札幌」の研修会にて、SHAREのメンバーが関わる2つの事業についての活動発表が行われました。
「地域リハねっと札幌」は、札幌市内のリハビリテーション資源の共有や、他業種との連携、そして若手セラピストの育成を目的としたネットワークです。今回は、SHAREの理学療法士とデザイナーがそれぞれ関わりを持つ、異なるアプローチの「地域活動」について紹介しました。
■ 制度と人をつなぐ ― こねくとケア札幌
最初の発表は、「こねくとケア札幌」について、代表の赤間様よりお話しいただきました。この活動には、SHAREの理学療法士である菊地もメンバーとして参画しています。
こねくとケア札幌が立ち上がった背景には、「入院していた患者様やご家族が、退院後にどのようなサービスや支援を受けられるのか、その情報が十分に届いていない」という地域課題がありました。「制度や使えるサービスについて、もっと一般市民の皆さんに知ってもらいたい」という想いから、市民と専門職をつなぐイベントを3ヶ月に1回のペースで開催しています。
第3回開催時のテーマ『障害福祉サービスを知ろう』にて、SHAREが運営する自立訓練(機能訓練)専門施設 CHALLENGED GYMを会場に、就労移行支援事業所「クロスジョブ札幌」の紹介を行った活動などが報告されました。
講演後の後半のグループディスカッションでは30名ほどの専門職の方々と共に、支援が必要な方へ情報をどう届けるかについて活発な意見交換を行いました。

■ 地域の中で支えるケアコミュニティをつくる― 八百カフェ
二つ目の講演は、SHAREのデザイナー大村が札幌市立大学在学中に立ち上げた「コミュニティマルシェ八百カフェ」の活動紹介です。
八百カフェは、2022年からスタートした、札幌市立大学デザイン学部の学生と地域住民が中心となって運営するマルシェイベントです。「地域の中で支え合うケアコミュニティの形成」を目的に掲げ、今年度は「北海道福祉のまちづくり賞」も受賞しています。
今回の発表で強調したのは、デザインを通じた福祉的アプローチです。従来の福祉が「支援」から入るのに対し、八百カフェは「ワクワク・楽しさ」を入り口にします。そこへ誰もが気軽に訪れることで、自然と社会参加が生まれ、心身の健康づくりにつながっていくという仕組み(図参照)です。

その実践事例として、SHAREが運営するデイサービス「スマリハ」の利用者様との連携を紹介しました。リハビリの一環として制作した作品を、利用者様ご自身が八百カフェの店頭に立って販売する――。単に機能訓練をするだけでなく、「自分の作品が売れた」「地域の人と話せた」という体験を通じて、社会的な役割や生きがいを創出する場として機能していることをお伝えしました。
【スマリハ+】コミュニティマルシェ八百カフェ 出店レポート!|SHARE(コーポレート)
皆さん、こんにちは。株式会社SHAREでインターンをしています、大村です。スマリハ+札大前店が「コミュニティマルシェ八百カフェ」に出店しましたので、今回はその様子をレポートします!札幌市南区で開催されるコミュニティマルシェ八百カフェ開催日時...
sha-re.jp

■ 誰もが地域で自分らしく暮らすために
必要な情報を正しく届ける「こねくとケア札幌」と、楽しさを通じて居場所と役割を作る「八百カフェ」。アプローチの手法は異なりますが、どちらも「誰もが社会とつながりながら、自分らしく健康に暮らせる地域をつくる」というゴールは同じです。
「地域リハねっと札幌」は今後も開催されますので、札幌市近郊にお住まいの専門職の皆様は是非ご参加ください。
SHAREでは今後も、医療・介護の専門性とデザインの力を掛け合わせ、地域の皆様のウェルビーイングに貢献できる活動を続けてまいります。
大学院でデザインを学びながら、地域共創部のインターンとして活動中! 社会福祉士の資格取得も目指しています。 医療介護・福祉・フィットネスの現場に寄り添い、デザインの視点から新しい価値を生み出していけるよう、日々奮闘中です。
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