発語失行のリハビリで変化した日常|言語聴覚士が語る支援の実際
言葉がうまく出てこない、伝えたいのに伝わらない。
こうしたコミュニケーションの難しさは、本人にとってもご家族にとっても大きな不安につながります。
今回は、言語聴覚士の視点から、発語失行のある利用者の方の変化についてご紹介します。
リハビリ風景の様子(対面訓練)
利用者の概要
今回ご紹介するのは、60代男性・発語失行のある方です。
発語失行とは、言葉の内容は頭の中にあるものの、うまく発音として出すことが難しくなる状態です。
初期の状態(Before)
関わり始めた当初、ご本人の発話は全体的に歪みが強く、内容の推測が難しい状態でした。
一方で、お姉様は長く関わる中で発話に慣れており、日常的なフレーズについてはある程度理解されていました。
そのため、リハビリの場面でもお姉様による補足が必要な場面が多く見られました。
第三者にとっては聞き取りが難しく、意思伝達が困難であり、ご本人にとっても大きな負担があったと考えられます。
関わり・リハビリ内容(Process)
リハビリは1回40分、週3回(オンライン2回、対面1回)で実施しました。
継続的に関わる中で、発話の変化を細かく捉えながら進めていきました。
発声時の口の動きを示した資料
当初は発音の不明瞭さが強かったため、単音レベルから練習を開始し、誤りやすい音を整理した上で重点的に取り組みました。
リハビリの様子また、日常生活でも練習が継続できるよう、ご本人とお姉様に対して具体的な自主練習の方法をお伝えしました。
発音が安定してきた音は単語レベルへと広げ、さらに日常会話を想定した練習も取り入れていきました。
単語レベルの発話練習の一例
変化(After)
リハビリを継続する中で、発話の明瞭性には徐々に変化がみられるようになりました。
初回介入時には「ほとんど聞き取れなかった」とされていた発話も、数ヶ月後には「以前より聞き取れる部分が増えた」と評価されるようになりました。
また、通所場面にも大きな変化がありました。
当初は不安からお姉様の同行が必要でしたが、次第にご自身の言葉でやり取りする場面が増えていきました。
成功体験を積み重ねる中で、現在ではお一人での来所が可能となっています。
ご本人がうまく言えなかった言葉を、お姉様が書き留めて作成された自主練習用の資料
セラピストとして伝えたいこと
失語症などの言語障害のある方は、退院後の生活の中でコミュニケーションの難しさに直面することが少なくありません。
ご本人やご家族が、想像以上に不安や戸惑いを抱えている場面も多く見られます。
また、「うまく伝わらないかもしれない」という不安から、話すこと自体を控えてしまうこともあります。
本来伝えたい思いがあるにも関わらず、その機会が失われてしまうのは非常にもったいないことです。
リハビリによる機能改善だけでなく、周囲の理解や関わり方によって、コミュニケーションのしやすさは大きく変わります。
困りごとがあれば、ぜひ一度ご相談ください。
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※本記事は実際の支援事例をもとに、一部内容を調整して掲載しています。
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