SHAREが社会復帰促進事業の受託事業者になった理由|高次脳機能障害のある方の退院後支援をつなぐために
SHAREはこのたび、自動車事故による高次脳機能障害のある方の社会復帰を支える「社会復帰促進事業」の受託事業者となりました。これは新しい制度に関わるというだけではなく、退院後の生活や社会復帰の“つながりにくさ”に向き合う取り組みだと、私たちは考えています。
社会復帰促進事業とは
社会復帰促進事業は、自動車事故による高次脳機能障害のある方が、退院後に適切な支援や自立訓練につながり、地域での生活や社会参加へ進んでいくための仕組みを整える事業です。
高次脳機能障害では、記憶、注意、感情のコントロール、対人面、段取りなどに影響が出ることがあります。ただ、こうした症状は外見から分かりにくく、入院中の守られた環境では大きな課題として見えにくいことも少なくありません。そのため、退院してから生活や仕事の中で困りごとがはっきりしてくるケースがあります。
なぜこの事業が必要なのか
高次脳機能障害のある方の支援では、「病院を退院したあと」が大きな分かれ道になることがあります。
医学的な治療やリハビリを終えて退院できても、生活を組み立てること、外出すること、人と関わること、疲れ方を把握すること、就労に向けた準備をすることなど、本当に必要な支援はその先で見えてくることがあるからです。
一方で、退院後に高次脳機能障害への理解がある支援先へスムーズにつながれるとは限りません。制度として自立訓練があっても、どこでも同じように対応できるわけではなく、地域によっては支援先そのものが限られていることもあります。
また近年は、高次脳機能障害のある方への支援をめぐる制度面の整備も進んでいます。高次脳機能障害は外見から分かりにくく、その特性の理解も十分に進んでいないことから、本人や家族が適切な支援を受けにくい現状があるとされています。こうした背景を踏まえ、医療・リハビリから生活支援、社会参加支援までを切れ目なく受けられる体制づくりが求められています。今回の社会復帰促進事業も、そうした流れの中で、退院後の支援を地域で具体的につないでいく取り組みの一つだと考えています。
自立訓練の基本や、就労移行支援との違いについては「自立訓練とは?高次脳機能障害のある方が知っておきたい基本」で解説しています。
だからこそ必要なのは、「制度があること」そのものではなく、退院後の支援を切れ目なくつないでいくことだと私たちは考えています。
自立訓練とは?機能訓練・生活訓練の違い、対象者、利用期間、就労移行との違いを解説|札幌で相談できる支援も紹介|SHARE(コーポレート)
「自立訓練ってどんなサービス?」「高次脳機能障害があると利用できるの?」「就労移行支援とは何が違うの?」こうした疑問を持つ方は少なくありません。自立訓練は、障害福祉サービスのうち訓練等給付に位置づけられるサービスで、地域で自立した日常生活や...
sha-re.jp

事業の3つの柱
社会復帰促進事業では、大きく3つの柱が重視されています。
1. ネットワーク構築
病院と自立訓練事業所などが連携し、退院前から退院後を見据えた情報共有や支援調整を進めることです。病院の中だけでは見えにくい課題も、地域の支援先とつながることで早く把握しやすくなります。
2. 自立訓練の提供
高次脳機能障害の特性に合わせた機能訓練・生活訓練を届けることです。単なる機能改善だけではなく、生活のしづらさや社会参加の難しさに向き合う支援が求められます。
3. 地域連携
自立訓練事業所だけで支援を完結させず、就労支援機関、地域の事業所、関係機関などとつながりながら、地域生活や社会参加への移行を支えることです。
SHAREが担う役割
SHAREがこの事業に関わる意味は、まさにこの3つの柱を、札幌や地域の現場で具体的につないでいくことにあると考えています。
私たちはこれまで、自立訓練や生活期の支援、社会復帰に向けたサポートに関わる中で、「退院したあとに支援が薄くなる」という現実に何度も向き合ってきました。
病院では退院できる状態でも、地域で暮らし始めると、疲れやすさや段取りの難しさ、外出への不安、対人関係でのつまずきなどが目立ってくることがあります。そのときに、本人や家族だけで抱え込むのではなく、生活づくりや社会参加まで見据えた支援につながることが大切です。
今回の受託によって、SHAREは単に訓練の場を提供するだけではなく、病院から地域へ、そして生活や社会参加へと支援をつないでいく役割を、より明確に担っていきます。
高次脳機能障害のリハビリや社会復帰までの流れについては、こちらの記事も参考になります。
高次脳機能障害リハビリとは?症状別の支援内容と社会復帰までの流れ
退院後支援をつなぐために
社会復帰は、すぐに結果が出るものではありません。
生活を整えることが先の方もいれば、外出や通所の練習が必要な方もいます。就労に向けた準備が必要な方もいれば、まずは家族が一緒に理解を深めることから始まる場合もあります。
だからこそ私たちは、「早く次へ進めること」だけを目指すのではなく、その人にとって無理のない形で社会とつながり直していくことを支えたいと思っています。
今回の受託は、SHAREにとって肩書きが増えたという話ではありません。高次脳機能障害のある方の退院後支援に、より責任を持って向き合っていくという意思表示です。
退院後の生活や社会復帰に不安がある方へ
SHAREでは、高次脳機能障害のある方の生活づくりや社会復帰に向けた相談を受け付けています。今の状況を整理したい、どんな支援が使えるか知りたいという段階でも大丈夫です。
まずは、リハビリの新しい選択肢としてのチャレンジド ジムについてもご覧ください。
参考情報
国土交通省:社会復帰促進事業
総合病院での臨床経験を経て、株式会社SHAREに入社し、医療・健康・介護福祉の共創に励んでいます。 私たちが地域の皆様のお役にどう立てるか? 自治体・医療機関・地域にお住まいの皆様のお力をお借りし、これからも様々なことに挑戦してまいります。
Well-beingを一緒に
創る仲間を募集しています。
事業連携、取材のご相談など
お気軽にお問い合わせください。