社会参加がひらく、これからの介護予防|大渕修一先生を迎え、SHARE特別セミナーを開催しました
2026年10月3日、株式会社SHAREは、札幌市のCHALLENGED GYMにて「社会参加がひらく、これからの介護予防――フレイル予防から役割・つながり・地域づくりへ」を開催しました。
講師は、東京都健康長寿医療センター研究所 福祉と生活ケア研究チーム 研究部長の大渕修一先生。
医療・介護・福祉の専門職や学生などが参加し、身体機能への働きかけを、その人らしい暮らしや社会参加へどうつなげるかを学びました。
SHAREでは、2025年にも大渕先生をお迎えし、身体機能の改善可能性や地域でのつながりについて学びました。
今回はその学びを深め、本人の強みを、地域での役割や参加の機会へ結びつける視点を考える時間となりました。
→ 前回の大渕修一先生セミナー|フレイル改善と地域での健康づくり
身体機能の改善を、暮らしの中の「やりたい」へ
講義では、高齢期の身体機能にも改善の可能性があることを、研究をもとに解説いただきました。
年齢だけを理由に可能性を狭めず、その人の状態に応じて働きかけることの大切さを、改めて確認しました。
そして、今回の大きなテーマは、その先にある社会参加です。
外に出られるようになった身体で、どこへ行きたいのか。
誰と会い、どのような役割を持ちたいのか。
身体機能の評価とともに、本人が大切にしている活動や、人とのつながりにも目を向ける必要があります。
講義では、地域を調べる活動などを通じて役割を担う「役割期待型プログラム」も紹介されました。
支援を受ける人にも、地域で力を発揮できる場がある。
その視点が印象に残りました。
本人が望む暮らしを出発点にする姿勢は、先日公開した、よりそう訪問診療クリニックなぎの木・石部正和先生のインタビューにも通じます。
医療と日々の支援が同じ方向を向くために、大切にしたい視点です。
→ 「年だから」で諦めない在宅医療|石部先生が大切にする、その人の願い
「参加しない」の背景に、何があるのか

地域の活動に参加していない方を、私たちは「関心がない人」と捉えてしまうことがあります。
講義では、退職などをきっかけに、それまでの役割や人とのつながりが変化すること、身体機能が低下する前から参加の機会が減っている場合があることが示されました。
活動していないという結果だけでは、その背景は分かりません。
これまでどのような暮らしを送り、何を大切にしてきたのか。
今の地域に、自分が参加したいと思える場や、役割を持てる機会があるのか。
参加者からも、活動の場がないことと身体機能の低下との関係や、「無関心」と見える方の背景について、考えさせられたという感想が寄せられました。
SHAREとしても、参加を呼びかけるだけでなく、その人が地域とつながるきっかけを一緒に考えることの大切さを受け止めました。
健康を支える力や、その人の強みに目を向ける
もう一つの大切な学びが「健康生成モデル」です。
講義では、病気の発症や重症化を防ぐ視点に加えて、その人の健康や暮らしを支える力に着目する考え方が紹介されました。
困難やストレスへの対処に関わる「コーピング」や、自分にとって意味のある活動を選び、持っている力や周囲の資源を活かしていく考え方も取り上げられました。
私たち専門職は、リスクや困りごとを見つける機会が多くあります。
その一方で、その人ができていること、得意なこと、楽しめることを見つけ、言葉にして伝えることも大切な支援です。
参加者のアンケートには、質疑応答での「職員同士で褒める練習」という趣旨のお話が心に残ったとの声もありました。
利用者の方への関わりと同じように、まずは一緒に働く仲間の強みに気づき、伝える。私たちにとっても、日々の関わりを見直すきっかけとなりました。
アンケートに寄せられた、現場につながる学び
セミナー後のアンケートでは、多くの回答をいただきました。
| 項目 | 平均点(5点満点) |
|---|---|
| セミナー全体の満足度 | 4.77 |
| 講義内容の分かりやすさ | 4.79 |
| 日常業務への活用の見込み | 4.41 |
満足度は、回答者の97.4%が4点以上と評価してくださいました。
自由記述には、次のような感想が寄せられました。
- 社会参加を支えるうえで、役割を持つことの重要性を学んだ。
- できることや長所に目を向け、それを言葉にする大切さに気づいた。
- コーピングの考え方を、利用者だけでなく職員への関わりにも活かしたい。
- 理論から研究、実践までの説明が分かりやすく、日々の支援を考える参考になった。
※個人が特定されない形で、回答の趣旨を要約しています。
また、今後のテーマとして「通いの場づくりの具体的な方法」「病院が地域と関わる方法」「社会参加に至るまでの当事者の体験」などへの希望も寄せられました。
今回の学びを、それぞれの現場でどう実践するか。
その一歩を後押しできる企画につなげていきたいと考えています。
学びを、地域のつながりと実践へ

SHAREは、医療・介護・フィットネスに関わる事業を通じて、人と地域をつなぐ取り組みを進めています。今回のセミナーも、地域の専門職が共に学び、連携を深める機会として、当社の費用負担により無料で開催しました。
その人の小さな強みに気づき、地域で活かせる役割や機会につなぐ。
そのためには、医療機関や介護事業所、地域包括支援センター、地域の皆さまと知恵を持ち寄ることが欠かせません。
先日の北海道理学療法士学術大会でも、SHAREは病院の皆さまと、本人の希望を地域の「次の支援」へつなぐ自主企画セミナーを実施しました。
今回の学びも、こうした地域との連携や日々の支援に活かしていきます。
→ 北海道理学療法士学術大会レポート|研究発表・自主企画・会場提供で地域の学びをつなぐ
「すべての人がカッコよく歳を重ねられることを証明する」。
この理念の実現に向けて、一人ひとりが持つ力や思いを大切にしながら、自分らしく暮らし続けられる地域づくりに取り組んでまいります。
大渕修一先生、ご参加くださった皆さま、開催にあたり周知にご協力いただいた皆さまに、心より御礼申し上げます。
施設見学や地域活動、医療・介護との連携に関するご相談は、株式会社SHARE 地域共創部までお気軽にお寄せください。
お問い合わせ
株式会社SHARE 地域共創部
メール:t-watanabe@share-jp.com
総合病院での臨床経験を経て、株式会社SHAREに入社し、医療・健康・介護福祉の共創に励んでいます。 私たちが地域の皆様のお役にどう立てるか? 自治体・医療機関・地域にお住まいの皆様のお力をお借りし、これからも様々なことに挑戦してまいります。
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