第77回北海道理学療法士学術大会に参加|研究発表・自主企画・会場提供で地域の学びをつなぐ
2026年9月26日(土)・27日(日)、ウイングベイ小樽で開催された「第77回北海道理学療法士学術大会」に、株式会社SHAREのスタッフが参加しました。
大会のテーマは「HPTA:Hub for Physical Therapists’ Action ~北海道の理学療法士をつなぐ学びの拠点として~」。
SHAREは、カレス記念病院の皆さまと連携した自主企画セミナー、小樽市の介護予防事業に関する研究発表、カレス記念病院との共同研究、スマートスタジオ小樽の会場提供を通じて、大会に関わりました。

多くの参加者と考えた、その人にとっての「次の支援」
自主企画セミナーでは、カレス記念病院の皆さまと「北海道リハ・ケアつなぐラボ」として、次のテーマを取り上げました。
その人にとって最適な“次の支援”を選べていますか?
~制度の壁と臨床のリアルから考える,リハビリテーション・運動・健康支援のバトンパス~
SHAREからは、菊地真広、斉藤拓真、中島大知が講師として、渡邊匠が座長として参加しました。
準備段階では、どれほどの方に関心を持っていただけるか、不安もありました。しかし当日は、用意した席や資料が足りなくなるほど多くの方にご参加いただきました。
退院やリハビリテーションの終了後も、その人の生活は続いていきます。「もっと動けるようになりたい」「仕事や外出を再開したい」「運動を続けたい」。そうした思いを、地域のどのような支援につなげられるでしょうか。
セミナーでは、指定運動療法施設やメディカルフィットネス、自立訓練(機能訓練)などの役割や利用方法を紹介。症例をもとにしたグループワークでは、本人の生活や希望を踏まえ、どのような選択肢があるかを参加者同士で考えました。
大切にしたのは、目の前の本人に加え、その周囲にある「人・場所・支援」にも目を向けることです。
すべての施設を知っていなくても、相談できる人を知っておく。
そのつながりが、本人の生活の選択肢を広げる。
病院と地域の双方の視点から、支援をつなぐためにできることを共有しました。

「もっと時間が欲しかった」―学びを次の行動へ
当日は「もっと時間が欲しかった」との声をいただきました。終了後のアンケートにも、「大変勉強になりました」「グループワークでの意見交換」が印象に残ったという回答が寄せられました。
アンケート回答者32名のうち、「今後の臨床・業務に活用できそうか」という設問には29名が5段階評価で4点以上と回答し、平均は4.22点でした。
今後取り組みたいこととしては、次のような回答がありました。
地域のリハビリ資源を調べる:20名
退院後の患者さんのフォロー方法を見直す:16名
患者さんへの退院後の選択肢の説明を増やす:14名
※アンケート回答者32名。今後取り組みたいことは複数回答。
一方、地域につなぐ際の課題には、「施設・サービスの情報が少ない」「地域によって資源に差がある」といった声も挙がりました。
必要な支援につなげるためには、地域の選択肢を知り、相談し合える関係をつくっておくことが欠かせません。今回の企画が、それぞれの現場で支援を見直すきっかけになればうれしく思います。

小樽の介護予防事業を研究発表
地域共創部の渡邊匠は、次のテーマでポスター発表を行いました。
大型商業施設に実装した介護予防事業の参加状況と継続要因の検討
―生活動線上への実装は冬季の外出行動維持に寄与するか―
対象としたのは、小樽市の委託介護予防事業「シニアからだづくり教室」です。商業施設で実施する教室への参加状況と、継続して通うことにつながる要因を検討しました。
積雪や路面の凍結が外出の負担となる北海道で、「買い物のついでに立ち寄れる」「屋内で安全に移動できる」という環境には、どのような意味があるのでしょうか。
今回の分析では、商業施設という立地が参加率を直接高めたかどうかまでは確認できませんでした。一方で、通いやすさや安全な屋内環境が、一部の参加者の継続を支えている可能性が示されました。また、翌年度も続けたいという意向には、プログラムや社会的な交流との関連がみられました。
運動の内容だけでなく、通いやすさや人とつながる機会も含めて考えること。日々の実践を振り返り、より参加しやすく、続けやすい介護予防につなげるための発表となりました。
教室の内容は、小樽市委託「シニアからだづくり教室」の紹介記事をご覧ください。
カレス記念病院との共同研究―医療から運動療法へつなぐ実践
カレス記念病院の佐々木隆さんからは、SHAREとの共同研究として、次の演題が発表されました。
IADL拡大・就労が必要な症例のリハフォロー選択
~医療機関から単体型指定運動療法施設への移行例の考察~
医療機関から指定運動療法施設へと支援をつないだ事例をもとに、日常生活での活動の広がりや就労を見据えた、リハビリテーション後の支援の選択を考える発表です。
自主企画セミナーで取り上げた「次の支援へのバトンパス」は、私たちが日々の現場でも向き合っているテーマです。
病院と地域の施設が連携し、その実践を共同研究として振り返ることは、今後の支援をよりよくしていくうえでも大切な機会となりました。
SHAREはこれからも、医療機関の皆さまと連携し、退院後やリハビリテーション終了後の生活を支える取り組みを重ねてまいります。
関連する取り組みは、メディカルフィットネスと地域内科クリニックの連携に関する学会発表レポートでもご紹介しています。

スマートスタジオ小樽を、専門職がつながる場に
大会では、スマートスタジオ小樽を会場として提供しました。
卒業生が母校の教員や学生と交流する「養成校ラウンジ」の会場として、専門職同士の再会や交流の場を支えました。
日頃は地域の皆さまの健康づくりに取り組む場所が、今回は北海道の理学療法士がつながる場所に。施設の提供を通じても、大会の一端を担うことができました。
スマートスタジオ小樽が関わる地域の健康づくりについては、ウイングベイウォーキングと連携した取り組みでもご紹介しています。
学会での学びとつながりを、地域の暮らしへ
地域での実践を発信すること。
医療機関と一緒に、よりよい支援を考えること。
そして、専門職がつながる場を支えること。
今回の大会では、SHAREが日頃取り組んでいる活動を、さまざまな形で学びや交流につなげることができました。
これからも医療・介護・フィットネスの現場で得た気づきを共有し、一人ひとりが自分らしく暮らし続けられる地域づくりに取り組んでまいります。
大会の開催・運営にご尽力された皆さま、共同企画に携わってくださったカレス記念病院の皆さま、発表やセミナーにご参加いただいた皆さまに、心より御礼申し上げます。

総合病院での臨床経験を経て、株式会社SHAREに入社し、医療・健康・介護福祉の共創に励んでいます。 私たちが地域の皆様のお役にどう立てるか? 自治体・医療機関・地域にお住まいの皆様のお力をお借りし、これからも様々なことに挑戦してまいります。
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