1月16日は「禁酒の日」― 自分の心と体に“気づく”ためのウェルネス習慣 ―

私たちの暮らしの中で、「健康」はとても身近な言葉になりました。
テレビやインターネットでは、毎日のように健康情報があふれ、
食事、運動、睡眠、ストレスケアなど、
“正解らしきもの”は簡単に手に入る時代です。

それでもなお、
「なんとなく不調」
「疲れが取れない」
「気力が湧かない」
と感じている人は、決して少なくありません。

その理由の一つに、
自分の体や心の状態に“気づく時間”が失われていることがあると、私たちは考えています。

1月16日の「禁酒の日」は、
お酒をやめるための日ではなく、
自分の状態に一度立ち止まって目を向けるための日でもあると思っています。

■ 「禁酒の日」が問いかけているもの

1月16日は、1920年にアメリカで禁酒法が施行された日に由来しています。
この歴史的背景だけを見ると、「お酒を禁止する日」という印象を受けるかもしれません。

しかし、現代における「禁酒の日」が持つ意味は、
単なる禁止や我慢とはまったく異なります。

それは、
「当たり前になっている習慣を、一度疑ってみる日」
だと言えるでしょう。

特に日本では、
お酒はコミュニケーションの一部であり、
仕事、家庭、人間関係の中に自然と溶け込んでいます。

だからこそ、
「飲まない」という選択肢を意識的に持つ機会は、
実はとても貴重なのです。

■ お酒は“悪”ではない。それでも立ち止まる理由

私たちは、
お酒を否定したいわけではありません。

少量の飲酒が、
リラックスや人とのつながりを生むことも、
確かにあります。

ただし問題になるのは、
「無意識の習慣」になってしまったときです。

• 疲れているから飲む

• ストレスがあるから飲む

• なんとなく毎日飲む

• 飲まないと落ち着かない

こうした状態は、
本来、体や心が発しているサインを
一時的に感じにくくしてしまう可能性があります。

ウェルネスの視点では、
「不調を消すこと」よりも
「不調に気づくこと」のほうが、
はるかに重要です。

■ お酒が“気づき”を遠ざけてしまう理由

お酒の特徴の一つは、
感覚を鈍らせる作用があることです。

これは悪いことではありませんが、
同時に、

• 疲労

• 睡眠不足

• 精神的な緊張

• 生活リズムの乱れ

といったサインも、
感じにくくしてしまいます。

例えば、

• 本当は休むべき状態なのに、飲んでごまかしてしまう

• 睡眠の質が下がっていることに気づかない

• 心が張りつめていることを見過ごしてしまう

こうした状態が続くと、
「大きな不調が出たとき」に、
初めて問題に気づくことになります。

禁酒は、
こうした“鈍っていた感覚”を、
少しずつ取り戻す行為でもあります。

■ 禁酒で起こる変化は「数値」ではなく「実感」

禁酒のメリットとして、
体重や検査数値が語られることは少なくありません。

もちろん、それも一つの側面です。
しかし、ウェルネスの観点からより重要なのは、
日常の感覚の変化です。

• 朝、目が覚めたときの感覚

• 頭の中のクリアさ

• 物事への集中力

• 感情の安定

• 判断のしやすさ

これらは、
数値では測りにくいものですが、
日々の生活の質を大きく左右します。

禁酒をすると、
「こんなに疲れていたんだ」
「こんなに眠りが浅かったんだ」
と、自分の状態に驚く方も少なくありません。

それは、
体が本来の声を取り戻している証拠でもあります。