高次脳機能障害のある家族への接し方|物忘れ・怒りっぽさへの対応と相談先
「何度伝えても、同じことを聞かれる」
「以前より怒りっぽくなった気がする」
「本人は大丈夫と言うけれど、家族としては心配」
高次脳機能障害のある方と暮らす中で、どう接したらよいか迷うことがあります。
接し方の基本は、困りごとの背景を理解し、伝え方や生活環境を本人に合わせて整えることです。そして、家族だけで解決しようとせず、専門職や相談機関と一緒に考えることも大切です。
この記事では、物忘れや怒りっぽさへの対応、本人と家族の考えが違うときの向き合い方、札幌で利用できる相談先を紹介します。
「以前と違う」と感じる変化の背景を知る
高次脳機能障害は、脳卒中や頭部外傷などによる脳の損傷を背景に、記憶、注意、段取り、感情や行動の調整などに困難が生じる状態です。
見た目や会話だけでは分かりにくく、「覚える気がないのでは」「わざと困らせているのでは」と受け止められることもあります。
ただし、困りごとの現れ方は一人ひとり異なります。本人の言動をすべて障害のためと決めつけず、体調や生活環境、本人の気持ちも含めて確認していく必要があります。
症状の全体像や生活場面の具体例は、こちらで詳しく紹介しています。
高次脳機能障害の症状を具体例で解説|物忘れ・ミス・段取り・怒りっぽさはなぜ起こる?|SHARE(コーポレート)
「同じことを何度も聞くようになった」「以前はできていた家事や仕事でミスが増えた」「何から始めればよいか分からなくなっている」「病気や事故のあと、急に怒りっぽくなった」脳卒中や交通事故などによって脳が損傷したあと、このような変化が現れることが...
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物忘れがあるときは、確認できる仕組みをつくる
同じ質問を繰り返したり、約束を忘れたりする場合は、記憶の難しさが関係していることがあります。
口頭で繰り返し伝えるだけでなく、メモや予定表など、本人が確認できる手がかりを使う方法があります。道具を用意するだけでなく、「どこを見ればよいか」「いつ確認するか」も含めて使い方を整えることが大切です。
たとえば、次のような工夫が考えられます。
| 困る場面 | 工夫の例 |
|---|---|
| 通院や外出の予定を忘れる | 予定を書く場所を一つにまとめ、一緒に確認する |
| 鍵や財布を探し続ける | 置く場所を決め、分かりやすい目印をつける |
| 複数の用事を頼むと混乱する | 一度に伝える内容を減らし、一つずつ確認する |
※一般的な工夫の例です。本人の状態や生活環境に合わせて、支援担当者と相談しながら取り入れてください。
文字での確認が難しい場合などは、別の方法が必要です。本人の得意な方法や生活に合うか、リハビリ担当者と相談してみましょう。

怒りっぽさがあるときは、落ち着ける状況を優先する
怒りが強くなっている最中は、長い説明や説得が届きにくいことがあります。まずは話し合いを中断し、話題や場所を変えるなど、落ち着ける状況をつくります。
その後、落ち着いて話せるときに、何が負担だったのかを一緒に振り返ります。家族が無理なくできる範囲で、起きた場面を短く記録しておくと、専門職に相談するときの手がかりにもなります。
記録する内容は、たとえば次の3点です。
何をしていたときに起きたか
直前にどんなやり取りや予定変更があったか
どうすると落ち着いたか
障害への理解と、家族が安全に暮らせることは、どちらも大切です。 暴力や身の危険がある場合は、その場で説得を続けず安全な場所へ離れ、緊急時は110・119に助けを求めてください。
本人と家族の考えが違うときは、第三者と整理する
本人は「もうできる」と感じていても、家族は「まだ心配」と感じることがあります。高次脳機能障害では、自分の変化や困りごとに気づきにくくなる場合もあります。
そんなときは、どちらの考えが正しいかを決める前に、次のことを分けて整理してみましょう。
本人がやりたいこと
家族が心配している具体的な場面
支援や工夫があれば試せそうなこと
たとえば外出についてなら、「一人で出かけられるか」だけでなく、行き先、移動手段、困ったときの連絡方法まで具体的に考えます。安全に関わる判断は、主治医やリハビリ担当者などと相談しながら進めましょう。
本人と家族の希望が異なるとき、支援者がどう向き合うかについては、SHAREの現場記事でも紹介しています。
→ リハビリで本人と家族の希望が違うとき、支援者はどう向き合うのか
仕事への復帰を考えている場合は、生活の準備と職場との調整をまとめた記事もご覧ください。
→ 高次脳機能障害のある方の復職|仕事に戻るための準備・職場の配慮・札幌の相談先

家族自身の暮らしも、支援の対象です
本人を支えたいと思うほど、自分の疲れや不安を後回しにしてしまうことがあるかもしれません。
国立障害者リハビリテーションセンターも、家族が抱く戸惑いや将来への不安を踏まえた家族支援を位置づけています。本人への対応を学ぶことに加え、家族自身が相談できることも必要です。
「何度も説明するのがつらい」
「一人で対応する時間が長く、休めない」
「自分の仕事や生活との両立が難しい」
こうしたことも、そのまま相談してかまいません。家族の負担を減らす方法や、利用できるサービス、家族同士で話せる場について、支援者と一緒に考えていきましょう。
札幌で、家族の困りごとを相談したいときは
何を相談すればよいか整理できていなくても、まずは困っている場面を伝えるところから始められます。
| 相談したいこと | 相談先の例 |
|---|---|
| 症状や体調の変化、家庭での対応 | 主治医、リハビリ担当者、通院・入院先の相談窓口 |
| 生活上の困りごと、家族の負担、福祉サービス | 札幌市の障がい者相談支援事業所 |
| 高次脳機能障害に関する地域の支援先 | 札幌市「高次脳機能障害について」に掲載された相談機関 |
札幌市の障がい者相談支援事業所は、障がいのある本人だけでなく、家族等からの相談にも対応しています。必要な情報提供や関係機関の紹介、福祉サービスの利用援助などを行っています。
退院後の生活や社会参加に向けた準備では、自立訓練が選択肢となる場合もあります。制度の対象や支援内容は、こちらで紹介しています。
自立訓練とは?機能訓練・生活訓練の違い、対象者、利用期間、就労移行との違いを解説|札幌で相談できる支援も紹介|SHARE(コーポレート)
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本人と家族、どちらも暮らしを続けられるように
私たちSHAREは、本人が大切にしたいことと、家族が安心して暮らせることの両方を考える支援を大切にしたいと思っています。
本人の楽しみや役割を、どんな工夫や支援があれば続けられるのか。そのために、家族以外の誰と力を合わせられるのか。
接し方に迷ったときは、家族だけで答えを出そうとせず、今の困りごとを相談先に伝えてみてください。
退院後の生活や社会参加に向けた準備について、SHAREの支援を知りたい方へ
チャレンジドジムは、身体障がい・高次脳機能障害のある方の生活や社会参加を支える、自立訓練(機能訓練)の施設です。支援内容や利用については、公式サイトをご覧ください。
※本記事は一般的な情報提供を目的としています。症状や必要な対応は一人ひとり異なるため、個別の判断は主治医や支援担当者にご相談ください。
参考情報
総合病院での臨床経験を経て、株式会社SHAREに入社し、医療・健康・介護福祉の共創に励んでいます。 私たちが地域の皆様のお役にどう立てるか? 自治体・医療機関・地域にお住まいの皆様のお力をお借りし、これからも様々なことに挑戦してまいります。
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